フリーのドローソフト『Inkscape』をあつかう人のブログ
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オブジェクトとベジエ線の回でもでましたが、フィル・ストロークについてご説明しましょう。
とはいっても、言葉の意味ではないのでご安心下さい。主に着色についてです。2つを上手くコントロールする事でイラストに幅が出ますので、軽視すると損をしますよw
とはいっても、言葉の意味ではないのでご安心下さい。主に着色についてです。2つを上手くコントロールする事でイラストに幅が出ますので、軽視すると損をしますよw
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前回のお話でベジエ線がどんなものかはわかっていただけたでしょうか?
それでは、実際にベジエ線をうまく使うためにはどうすればよいのか説明することにいたしましょう。
今回は、トレースを交えてお話ししたいと思います。題材は簡単なものでいいですね。
こんなのでどうでしょう?
そうです。サイコロです。正四面体で角が若干丸まっているのでこれでいいでしょう。
まずはInkscapeでこの画像をインポートします。
読み込みましたら、まずはレイヤーを一つ作ります。メニューのレイヤーの一番下。レイヤーと書かれている所をクリックします。すると
このようなものが出てきます。
今、このLayer 1が選択されているわけです。
このレイヤーはトレースをするサイコロの画像専用にしたいので、このまま動かさないか、名前を変えてロックしてしまいましょう。
上のLayer 1と書いてある所をクリックすると、名前が変えられます。さらに隣のカギのマークをクリックするとロックがかかり、このレイヤー上のオブジェクトは動かせなくなります。解除する場合はもう一度クリックして下さい。
次に新しくレイヤーを作ります。左の+マークをクリックして下さい。
レイヤーができましたら、そのままのレイヤーでトレースを開始します。
トレースに必要なのは四角3つですね。左右と上に四角を描きます。このとき、始点と終点を重ねて下さい。すると線ではなく、四角形を作ることができます。
ずれていますが、これでいいのです。線が自由にコントロールできるので、ここからたやすく修正することができます。
でも、このサイコロは角が丸まっているんでしたね。折角ですので正確さを追求してみましょう。
この四角オブジェクト3つは、4つのノードがあります。これのハンドルを操作して角を丸くしましょう。
だんだん写真に近くなってきてませんか?ちなみに、サイコロの目は円コマンドで入れました。こういうところはベジエ線を使わなくてもいいですよね。
右上部分を拡大しています。
直線を活かしたかったので、両サイドにノードを打ち込み、角だったノードを丸めました。そのまま角をスムーズにしてもいいのですが、編集が少し面倒だったりします。ですので今回はこのような手法で角を作りました。これはどの角でも同じことをやっています。
さあ、形はできあがりました。最後は着色して、本物ソックリに仕上げましょう。
それぞれ、パーツごとに解説しましょう。
・右面オブジェクト(5の目)
1番濃い影になっている部分ですね。このような色は、正確な色をはじき出すより、見た目でこれが正しいと思えばそれでいいと思います。ちなみにこの色はCMYK値で0/0/0/67です。つまり黒67%であり、単純に灰色です。
・上面オブジェクト(1の目)
これも右面同様、見た目の判断で色付けしています。値は黒17%です。
・左面オブジェクト(3の目)
これだけちょっと他と異なっていますね。光の当たり具合を出すためにグラデーションを使用しました。左下部分から右上部分に向けて、黒17%→6%というグラデーションをかけました。グラデーションに関しては、別の機会でお話ししたいと思います。
・つなぎ目部分
ちょっと前の説明画像では、サイコロの分解図みたいになっていましたね。この手前の角部分、光の当たり具合が特徴的で、3つの四角では表現できそうもありません。ですので、この角専用のオブジェクトを作ってしまいましょう。ちゃんと左右下3つ別々に作ってあります。これにもそれぞれグラデーションをかけていますが、ここでのコツは、グラデーションの開始色を四角オブジェクトの色の合わせることです。右部分の場合は、黒67%→17%です。これで、光の当たり具合がリアルになるはずです。
以上が各オブジェクトの説明です。また、3つの四角オブジェクトにはぼかし1%。つなぎ目部分にはぼかし2%がかかっています。このぼかしの狙いは、かっちりしている作品に丸みを持たせるのと、つなぎ目を目立たなくするためです。
ここまでできましたら、後は細かい部分を手直しして完成です。お疲れ様でした。
今回はサイコロを使いましたが、題材はなんだって構いません。何かしら描いてみる事が大事だと思います。そうすれば自然とテクはついてくるはずですので。
次回は色について、少し詳しくお話しすることにしましょう。
-完成例-
いかがでしょう。最初の画像のサイコロと比べてみて下さい。
追記:この最初のサイコロの画像は、てっきり本物だと思ってお借りしたのですが、これもイラストでした(^^;
しかも、ペイントツールで作られているという事で、私のような者とは一味違った描かれ方をしていますね。御見それしました。
こちらのサイコロの描き方も紹介されています。宜しければ一緒に参考にしてみて下さいね。
GIMPでサイコロ(角丸な直方体)を描く方法:http://gimp.blog.shinobi.jp/Entry/214/
あれこれ能書きを語るよりも、実際に描いてみたほうがわかりやすいでしょう。
というわけで、早速描画してみます。
左のコマンドバーから
クリックすると、マウスカーソルがペンのようなものに変わります。この状態で、一回クリック、適当なところまで伸ばしてダブルクリックで線が引けます(言い忘れていましたが、Windowsでの操作です。Macでの操作はわかりませんのでご了承ください)。
こんな風に線が引けましたでしょうか?太さが1pxなので見難いですね。では、太さを変えてみましょう。
こんなのが出てきました。
これは、オブジェクトの色や線の太さ、形式などを変える事ができます。
これは、オブジェクトの色や線の太さ、形式などを変える事ができます。
ちなみに、フィルがオブジェクトの中の部分。ストロークが外側の線です。輪郭とでもいましょうか。フィル・ストロークの回で説明します。
とりあえず今は線を引いただけですので、フィルは関係ありません。右のストロークのスタイルという部分をクリックしてください。
幅というのは線の太さです。px以外にもいろいろな単位があります。
結合というのは、折り曲げた時にどのような形状にするかを選択するものですね。左だと、普通に角ばった曲がり方になります。真ん中だと、角が丸くなり滑らかになります。右だと、外側の角がとれて、平たくなります。
角結合の限界とは、左の結合でどの角度まで鋭利にするかの限界値です。これは説明が難しいので画像を交えて説明しましょう。
角結合の限界4ですと、折り目を鋭角にした場合、このように角が取れてしまいます。
端は線の両端がどのような形状になるかという事です。四角か丸かということだけ頭においておけば十分です。
点線は文字通り点線です。種類も豊富ですよ。
マーカーについては特に必要が無いと思います。あまり使う機会はありません。
では、太さを10にして見ましょう。
上が1px。下が10pxです。このように線の太さを自由に変える事ができます。小数点以下の値も指定できますからね。もっとも、そこまでする必要はほとんどないと思いますが・・・。
太さが変わりましたら、次はこの線を曲げてみます。やり方は簡単です。まずはノードの編集コマンドというものを選択します。
では次です。今度角のついた曲げ方をして見ましょう。先程、角結合のところで説明したような曲げ方です。
一つ目ですが、今までは直線だったので、クリック→ダブルクリックで引きましたが、今度は2回ほど適当な場所でクリックをしてからダブルクリックで留めてください。
いかがでしょう。これも立派な曲線ですよね。このように端々を折った線も容易に描けます。これにはノードが4点あります。角をつけた分だけノードが増えるわけです。クリックした数とも言い換えられるでしょう。
これも、ノードがあるだけちゃんと曲げる事ができます。
以上のように、Inkscapeを含めたドローソフトの線はとても自由にいじれます。この編集や組み合わせがドローソフトの醍醐味だったりまします。
今回非常に長い記事になってしまいましたが、ベジエ線はInkscapeの中でも、最もよく使うコマンドのひとつ(図形コマンドとは使用頻度が段違いです)なので、是非とも慣れてくださいね。
ベジエ線(ベジエ曲線)。簡単に言えば線です。ただし、鉛筆やペンで書く線とはワケが違います。このベジエ線は、曲げられる!角を付けられる!図形にできる!と、非常に万能な線です。しかし、鉛筆やペンタブのように、筆圧をうまく扱うことはできません。太さ、色の変わらないキレイな線のみ描くことが出来ます(色はグラデーションで変える事ができますが、そのお話は別の機会にしたいと思います)。
それでは、前回描いた矩形(長方形)、円、多角形を使って何か作ってみましょう。
童心に返ったつもりで描いて見てくださいね。
それと多角形ツールですが、初期の段階では星(5角形)でしょうか。
こちらの操作について解説しましょう。
まず、マウスを当てて、星型/ポリゴンを作成と出るコマンドを選択します。
この数字を変える事によって、いろいろな図形が描けます。
この状態では星になりますね。他にはたとえば、
このパラメータでは、このような図形になりました。
このような設定では、こんな感じになります。
これの数字を変えるだけでもいろいろな図形ができて面白いですよ。
こんな感じに、花のようにも花火にも見える図形もできます。
それでは、これを活かしてイラストチックなものに仕立ててみてください。適当な感じで大丈夫です。まずは使い方を覚えましょうw
模様にしてみたり、1枚絵のようにしてみたり、図形だけでも結構いろいろできるものです。
いろいろ試してみてくださいね。
図形についてはお分かりいただけたでしょうか?
次回はベジエ線について説明します。